幕末トラベラーズ

京都の史跡

後藤象二郎寓居跡
(ごとうしょうじろうぐうきょあと)

後藤象二郎寓居跡
京都市中京区

土佐藩重臣・後藤象二郎は同じ土佐出身の坂本龍馬とともに、徳川幕府の大政奉還の実現に大きな役割を演じたことで知られている。

後藤象二郎は三条河原町付近にあった醤油商「壺屋」に仮住まいをしていた。現在跡地に建つ「ホテルリソル」の一角に、象二郎の記念ギャラリーが設けられている。

後藤象二郎寓居跡

後藤象二郎は土佐藩の参政・吉田東洋の義理の甥であり、東洋の薫陶を受け文武の研鑽にはげんだ。東洋が土佐勤王党の武市半平太一派に暗殺された後、一時藩政から離れたが、文久3年に尊皇を奉じる長州藩が京都を追われると、朝幕の政局は公武合体派の掌握するところとなり、もともと幕府寄りの開明派であった山内容堂も土佐藩で事実上のトップに返り咲いた。そして後藤象二郎も容堂に抜擢されて土佐藩の首相格として公武合体を推進することになるのである。

後藤象二郎が歴史に名を刻んだのは、なんといっても土佐藩が徳川慶喜に大政奉還を促すきっかけを作ったことによるものだろう。かつての政敵・土佐勤王党に名を連ねていた坂本龍馬と手を結び、「船中八策」として知られている龍馬の新たな政体の構想を受け入れ、山内容堂に大政奉還を進言したことが、徳川幕府270年の幕を下ろすことにつながったのである。

その後藤象二郎が京都で政治活動を行うにさいして拠点のひとつとしたのが、京都三条に店を出していた醤油商「壺屋(つぼや)」である。現在は2018年に開業した「ホテルリソル京都 河原町三条」の敷地となっており、見学無料の資料館(ギャラリー)が併設されている。

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(石碑の奥を進むと後藤象二郎を記念して開設されたギャラリーがある。「後藤象二郎寓居跡」の石碑は大政奉還150周年の2017年に改めて建立されたもの)

(記念ギャラリーはホテルの宿泊客でなくても見学できる)

(幕末当時の付近の街並みを再現したジオラマや、パークス襲撃事件で暴漢を撃退した後藤象二郎に英国女王が御礼として贈った宝剣(複製)、象二郎自筆の書簡や漢詩などが展示されている)

(「後藤象二郎寓居跡」に関する説明板)
(ここまでの画像出典:都市ガバナンス研究所)

(ホテルが建設される前には、壺屋の跡地付近に居酒屋「桜屋」があり、「後藤象二郎寓居跡」の説明板はその前に立っていた。ちなみに幕末の志士たちは自由な行動を求め、脱藩者ならずとも一般商家等の一角を借り「寓居(仮住まい)」とすることがよくあった)

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