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一茶双樹記念館
(いっさそうじゅきねんかん)
一茶双樹記念館
小林一茶は、芭蕉、蕪村と並んで江戸期を代表する俳人である。その句は、平易な言葉遣いの中に、大自然あるいは自己を凌駕するものに対して果敢に立ち向かおうとする弱者への思いやりと風刺とが巧みに織り込まれている。
「やせ蛙まけるな一茶これにあり」
「梅が香やどなたが来ても欠け茶碗」
「悠然として山を見る蛙かな」
宝暦13年(1763年)に北信濃に生まれた小林一茶は、年少期に江戸に奉公に出、長じて俳諧を学んだ。30歳のころから諸国を遍歴したあと、俳人としての活動は江戸・北総地方が中心となった。なかでも流山の醸造家・秋元双樹のもとへは50回以上も訪れ、近傍の俳人たちとともに盛んに句会を開いた。一茶よりも6歳年長の双樹は、句友という間柄をこえて家族の一員のように一茶を遇していたといわれている。また、みりん醸造で財をなしていた双樹は、一茶の俳諧活動にとっても大きな支えであった。
流山市は、旧商家秋元家の家屋・庭園を市指定記念物として整備し、一茶双樹記念館として平成7年に開館させた。旧秋元家の書院を解体・復元した双樹亭や一茶庵は、句会や茶会などの催しにも利用できる。
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(一茶双樹記念館は、新選組隊士たちの宿舎のひとつとして使われた光明院に隣接している。光明院はこの道の手前方向にある)
(記念館の入口)
(この建物は「秋元本家」で、江戸幕末期下総地方の寄棟造りで建てられた商家を再現したものという。一茶・双樹に関する資料や流山の名産であるみりんに関する資料が展示されている。双樹亭、一茶庵はこの建物の裏側にある)
史跡マップ
