〜幕末トラベラーズ〜

日本史用語集

江戸時代

(きえんれい)
棄捐令ってなんのこと?

(画像出典:https://www.photo-ac.com/)

棄捐令とは、生活に困窮する旗本・御家人に対して、札差に対する借金の帳消し・低利での年賦償還を命じた法度。

借金をチャラに!

棄捐令とは、寛政の改革のときに出された法度のひとつで、生活に困窮する旗本・御家人に対して、札差 (ふださし)から借りた借金の帳消し・低利での年賦償還を命じた法度。(札差とは、旗本・御家人が幕府から受け取る俸禄米の換金にあたった業者で、俸禄米を担保に武士への金貸しを行っていた業者のこと)

この法度では、5年前の天明4年(1784年)以前の借金は帳消しにし、それ以降の借金も利子を下げて長期間で返せばよいとした。同様の法度は天保の改革でも出された。

喜びは長続きしない

借金をチャラにするなんていう法律を為政者が出すなど、現代からみればまったく無茶苦茶な反則行為だけど、じつはこういう政策は昔から行われていた。有名なのが鎌倉時代に出された「永仁の徳政令(1297年)」。鎌倉幕府が御家人の借金をチャラにしたもので最初の徳政令と言われているね。

そしてこういう法度を出すと、借り手のほうはもちろん大喜び。でもその喜びは決して長続きはしない。なぜなら貸し主(札差)はもう二度と武士に金を貸そうとは思わなくなるからね。

幕府が旗本・御家人の給料を上げてあげれば一番いいのだけど、財政難だから無理。地方に住んでいる大名家の藩士だと百姓をすることもできるけれど、旗本や御家人はつねに江戸住まいのためそれもできない、都会は物価が高いというわけで、結局借金が一時的にチャラになってもまた借金せざるを得なかったんだね。